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「憲法が全てお見透し」は間違いーー大石眞・京都大学教授が立憲主義の議論は不毛と主張

 

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「集団的自衛権」違憲論が大勢を占める中、大石眞京都大学教授が、2日の読売新聞のインタビュー記事「安保法制 語る」の中で、制定当時に想定していなかった事態に対して、憲法制定者の意思を考えることはおかしいとし、憲法解釈の変更はあり得るとの見解を示した。

大石教授は、「そもそも憲法の役割は正しい形で政治家に権力を与えることだ。『権力を抑制しなければならない』という主張は、政治家には存在価値がない、と自ら言っているようなものだ。国民が選挙で投票するのも、権力を作り、議院内閣制を確立するためなのだから、立憲主義の議論は不毛だ」と指摘。野党の「憲法解釈変更は立憲主義を覆すもの」という主張を批判している。

「集団的自衛権」についてはほとんどの憲法学者が違憲と考えていることは事実だが、そのことを理由に「この議論には決着がついた」という一部の学者の言い切り方には疑問が残る。こうした言論が世論に与える影響はかなり大きく、「憲法学者があそこまで言うのだから、当然に違憲だろう」という認識が形成されていることは否定できない。「集団的自衛権」を認めるのは、「右翼的」な傾向が強い一部の学者だというイメージが強いが、それは真実とは言えないだろう。

憲法解釈が安定していることが望ましいことは当然であるし、現在の政権の法案への取り組みが積極的に支持されるわけではない。しかし、国際情勢の変化という現実を考慮しないで憲法論について議論することは危険な面もあるのではないだろうか。大石教授は、「時代とともに変わる規範を、きちんと現実の出来事にあてはめることが責任ある解釈者の姿勢」と述べているが、この考え方には説得力があると感じる。

8月2日読売新聞の記事の一部

8月2日読売新聞の記事の一部


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