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日本版「司法取引」が弁護士の関与義務化で合意 実務家からは懸念の声が噴出

 

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いわゆる日本版「司法取引」について、自民・公明と民主党、維新の党は、司法取引をする際に弁護士が関わることを義務づける修正を法案に加えることで合意した。これによって、修正案は賛成多数で衆議院を通過する見通しとなった。

この日本版「司法取引」は、被疑者・被告人が、他人の犯罪事実を明らかにするための捜査・公判協力を行い、検察官が、その裁量の範囲内で一定の処分又は量刑上の恩典を与えるという「合意」をするものだ。この「合意」が成立すると、双方に義務を負う。

弁護士が関わることを義務づける修正を加えたのは、捜査の透明性や信頼性を確保する観点からだという。しかし、この点について実務家からは問題を指摘する声が相次いでる。

東京高裁の岡口基一判事は、Twitterで「捜査段階での証拠開示制度がない現状では、その司法取引が正当なものなのかを判断する材料が無く、その状態で司法取引がからむ弁護活動を強いられ、しかも、その責任は弁護士にのみなすりつけられる制度」と批判。

岩田圭只弁護士も、Twitterで「同意してもしなくても弁護人が責任問われるという詰んだ状態になりかねないので、やりたくない。誰だこんな法案に協力したのは」と弁護士にのみ責任が押しつけられることに強い懸念を示している。

この制度によって検察官が被疑者・被告人の罪を軽減する法的な権限を持つことになれば、その権限を使って、別の被疑者・被告人を有罪にするため、虚偽の証言をするよう促すことが十分に想定される。一応、その協力者が虚偽の証言を行えば検察が「合意」から離脱できることにはなっているし、虚偽証言に対する罰則規定も設けられている。しかし、検察自らが主導して協力者に虚偽の証言をさせた場合、そのチェックを適切に行うことは難しい。情報が手元にない中で、弁護士がその機能を完全に担うことができると言えるのかは疑問だ。岡口判事の言う通り、むしろ不当な「合意」であっても「弁護士もお墨付きを与えた」のだと言われかねない危険性を孕むものだといえよう。


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