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見たことのない法律でも、弁護士が扱うことができる理由

 

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何のために法律を学んでいるのかーー。

根源的な問いだが、司法試験を目指している法学部生、法科大学院生でも、これをあまり深く考えていない人は少なくない。

論点の存在を認識し、そこで必要とされる論証を記憶する、というレベルで停滞している人は、かなり多いのではないか。

立法過程の問題に詳しい吉田利宏・元衆議院法制局参事は「法律を学ぶ意義は、リーガルマインドを養うことにあります。リーガルマインドを身につければ、物事を筋道を立てて考えることができるようになりますし、多くの人が支持する結論を導くことができるようになります」という。

「リーガルマインドの養成」という言葉は、よく耳にするが、その内容は掴みどころがない。吉田氏はこれを「物事の正義や公平の感覚」と定義する。

「ある野球選手が『何百回、何千回もバッターボックスに立っているとストライクゾーンが自然に見えてくる』といっていましたが、リーガルマインドは、たくさんの法律や条文を通じて身についた正義と公平のストライクゾーンの感覚です。リーガルマインドを身につければ、物事を筋道を立てて考えることができるようになりますし、多くの人が支持する結論を導くことができるようになります」

その法が実現しようとする価値は?

しかし、ただ漫然と法律を勉強していても、リーガルマインドは身につかない。リーガルマインドを養うキーポイントは、その法律が実現しようとする価値とは何か、また、その法律はその価値をどのように実現しようとしているのかなどを考えることだ。

「星の数ほどある法律には、それぞれに実現しようとする価値があります。 たとえば、『男女雇用機会均等法』なら、職業の場での男女の平等を図ることで、女性が十分に力を発揮できる社会を実現しようとしていますし、『民法』なら、人と人との基本的なルールを定めることで、自由を大切にしながらも公平で安定した活動ができる社会を支えています。このように、それぞれの法律が実現しようとしている価値は違いますが、どの価値も社会の正義や公平を図ろうとするものには変わりがありません」(同)

しかし、法的思考を理解していない人はこれがイメージできない。「弁護士って、六法全書を全て暗記しているんでしょ?」という言葉が、それを象徴している。
多くの法律や条文について、実現しようとする価値を学べば、共通する正義や公平の感覚を学ぶことができる。この量が一定の水準に達すると、どのような法律が問題となっていても、事案の結論がある程度見通すことができるようになり、「自分の頭で考える」ことができる状態が完成することになるのだ。


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